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左利きと色覚障害者のためのボドゲレビュー
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DATE: 2015/08/14(金)   CATEGORY: ゲームブック
ゲームブックのメカニクス
ボードゲームをデザインする上で、そのゲームを成立させるメカニクスという要素、考え方は欠かせない。そのゲームブック版はどうだろうとふと考えてみた。なお、定義は自分独自のものである。メカニクスという言葉自体もボードゲーム界隈から拝借した。

今を知ればその先もあるんじゃないかと信じて。
■1. 選択肢
プレイヤーへの選択肢の提示の仕方(種類)を明記する。

1.1. 明文
最もオーソドックスな提示の仕方でほぼすべてのゲームブックで利用されている。

例:
右へ行くなら二へ、
左へ行くなら三へ進め。

1.2. 挿絵
挿絵に選択肢として番号が書かれているタイプ。挿絵に地図が描かれており、建物や調査箇所に番号が振られている。プレイヤーに行きたい、調べたい場所を選択させ該当番号へ進ませる。

1.3. コスト
基本的には明文の項と同じだが、選択の際に何らかの代償を支払わせる。

例:
右へ行くなら、体力点を二減らし、二へ進め。
左へ行くなら、ろうそくを一本減らし、三へ進め。


1.4. 条件指定
選択肢を選ぶ際の条件を指定する。厳密には[コスト]も条件指定の一つである。

1.4.1. 条件、飛び先を明示
選択肢を選ぶ際の条件と選んだ際の飛び先を明示する。

例:
奥の扉には鍵がかかっている。
真鍮の鍵を持っているなら扉を開けることができる(二へ進め)。
なければ引き返すしかない。三へ戻れ。

1.4.2. 飛び先を隠ぺい
選択肢を選ぶ条件は明文化するが、飛び先は明文化しない。

前項の例ではプレイヤーは「真鍮の鍵」を持っていなくても持っている場合の選択肢を読むことができるが、このメカニクスを利用すれば、パラグラフ総当たりをしない限り読むことができなくなる。

例:
真鍮の鍵を拾った。真鍮の鍵には100と書いてある。アイテム欄に真鍮の鍵と100という数字を明記すること。

(以下は真鍮の鍵を拾ったあとのパラグラフ)
奥の扉には鍵がかかっている。
真鍮の鍵を持っているなら扉を開けることができる。
この場合、真鍮の鍵に明記された数字に二十五を足した番号へ進む。
なければ引き返すしかない。三へ戻れ。

1.4.3. 条件を隠ぺい
後述の[フラグ]を使って条件も隠ぺいする。

前述の例では、現実的には「真鍮の鍵」を持っていなければ、扉を開ける条件が何か分からないはずだが、表記の都合上、プレイヤーはこの扉を開ける条件が「真鍮の鍵」と知ってしまう。このメカニクスを利用すれば、「真鍮の鍵」と該当する扉の因果関係も隠ぺいされ、よりリアリティが増す。しかし、リプレイ時の難易度、フラグ管理の煩雑さも高上し、加えて製作者側もデバッグの負荷が飛躍的に増大するというデメリットがある。

例:
真鍮の鍵を拾った。キーNo.5に100と明記すること。

(以下はこのあとのパラグラフ)
扉の奥に進みたい場合はキーNo.5の値を参照すること。
キーNo.5に数字が書かれていれば扉を開けることができる。キーNo.5の値へ進め。
キーNo.5に数字が書かれていなければ引き返すしかない。三へ戻れ。

1.5. 特殊行動と記号
特殊な行動を取ることができる場所として、その行動とできる場所を予めプレイヤーに説明しておき、パラグラフ番号の側にその場所を示した記号を付す。ギリシャ神話アドベンチャーゲームのヒントをつかむ、グレイルクエストのワイロなどがその例。

1.6. 選択肢暗示
明文化された選択肢以外に選択肢を設ける。プレイヤーは隠された選択肢に気づかなければ選択することができない。

例:
あなたは風の精霊の加護を得た。今後文中に「風が頬を撫で」という表記を見つけた場合、風の精霊の力を借りることができる。この場合、そのパラグラフ番号に150を加えた番号へ進むこと。

(以下はこのあとのパラグラフ)
ゴブリンの集団に囲まれたようだ。ざっと見積もっても二〇匹は下らない。戦えなくもないが無傷では済まないだろう。ゴブリンどもは徐々に距離を詰めにじり寄ってくる。冷たい風が頬を撫で、あなたの額には汗が滲む。

剣を取って戦うなら五へ進む。
背嚢から何か使えそうなものを探すなら六へ進む。
手を上げて降参するなら七へ進む。

1.7. 選択肢完全隠ぺい
前述の[選択肢暗示]の強化型。プレイヤーは前情報なしに該当パラグラフを読んだ場合、選択肢が存在していることすら分からない。

例:
あなたは敵地へ先行潜入した味方の合言葉を知った。今後味方だと思われる人物へこの合言葉を試すならその場所で栞を挟んだうえ、そのパラグラフ番号に234を加えた番号へ進む。そのとき文面が繋がらなければ合言葉は意味をなさない。栞を挟んだ場所へ戻ること。

1.8. 謎解き
先に進むためには謎解きが必要。飛び先は明文化されておらず、プレイヤーは何らかの形で謎を解かないと先に進むことはできない。数値に関する謎解きで答えがそのまま飛び先に使われるパターンと答えを数値に変換させ飛び先を指定するパターンがある。

1.8.1 文章で提示
謎かけが文章で提示されている。多くは数値に関する問題で、答えがそのまま飛び先となる。

例:
「そうだな、だったらこれから言う問題を解いたら答えてやらなくもないかな。」
Xeilと名乗る男はニヤリと笑いながら続ける。
「俺はボードゲームが好きでね。これはボードゲームに関する謎かけだ。これからいう3つの問題の答えをすべて足した値を答えてくれ。」
Xeilがいう問題とは以下3つだ。

1.テラミスティカに登場する種族は拡張の[氷と炎]を含めると全部でいくつだ?
2.ツォルキン拡張の[部族と預言]にはあるキーナンバーがある。部族数、災いの数がそれに相当するがその数とは?
3.カヴェルナの武装レベルの最大値はいくつだ?
但し上記はすべてプロモーションは含まない。

答えが分かったならそれぞれの問題の答えをすべて足した番号へ進め。分からないならXeilは黙して何も語らない。彼を放って先に進むしかない。二へ進む。

1.8.2 挿絵利用
謎かけが挿絵から読み取る、あるいは挿し絵から選択する形となっている。挿し絵事態が謎かけとなっており、挿し絵に隠された番号を探させたり、挿し絵に描かれた選択肢を選択させる。

1.8.3 ギミック利用
謎かけに文章や挿し絵以外のなにかを利用する。折り紙やコイン、本誌の付録などを利用する。近年ではSCRAPの脱出ゲームブックが凝っている。


■2. ステータス管理
ゲーム中の各種能力、パラメータをプレイヤーに管理させ、ゲーム中に参照させる。

2.1. 管理手法
管理の手法について明記する。

2.1.1. 冒険記録紙(アドベンチャーシート)
ゲームブックの起源ともいえる火吹き山の魔法使いから始まったオーソドックスな手法。戦闘技術、体力、運などの能力を数値化して管理し、所持アイテム、ゲーム中に得たヒントなども明記する。数値化した能力はゲーム中に参照させ、後述の[ランダマイザ]を使い各種成否のチェックに利用する。

2.1.2. 栞
見開きのページの欄外に能力値が明記され、そこに栞を挟むことでパラメータを管理する。筆記用具を用いずに能力値を簡素に管理する手法で、プレイヤーの負荷を軽減させている。迷宮キングダム系ブックゲームのHP管理などで利用されている。なお、電子書籍では使えない。(栞機能のある書籍でも、栞は本来の役割しか果たさないのでほぼ意味がない)

2.1.3. ページの端を折る
見開きのページの欄外にアイテムや仲間が明記され、そのページの端を折ることで、所持/非所持、仲間にしている/していないを管理する。こちらも筆記用具を用いない画期的な方法。同じく迷宮キングダム系ブックゲームで利用されている。こちらも電子書籍では使えない。

2.1.4. 記憶
管理をプレイヤーの記憶に委ねる。このメカニクスを採用したゲームでは多くの場合、メモは禁止されている。ソーサリーの魔法などで採用されている。人の記憶はあいまいで、よく忘れる。 これがゲームとして良いエッセンスとなる。

2.2. 管理するもの
管理する媒体について明記する。

2.2.1. 能力値・所持品
プレイヤーの分身ともいえる主人公、および主人公の仲間の各種能力値や所持品を管理する。火吹き山の魔法使いから受け継がれるオーソドックスな形態。

2.2.2. スキル
特殊技能(スキル)、魔法などを管理する。バルサスの要塞の魔法など。ゲームに深みが増すが難易度、煩雑さも増す。

2.2.3. フラグ
ゲーム中に対応するフラグに〇×や数字、漢字、記号などを明記させる。ゲーム中に参照させ、所持品、仲間のあるなし、特定の場所で何をしたかなどを判定する。コンピュータゲームに近い処理、分岐を作ることができるが、ゲームブックではコンピュータが管理する部分をプレイヤーが行うので煩雑さが増す。特にチェックする箇所を間違えるとゲームが崩壊し、巻き戻しも難しい。作者にとってもデバッグがより複雑となる。


■3. 時系列
時間の概念、時系列をどう処理させるかについて明記する。

3.1. 一方通行
初期の作品には多くみられる。一度読んだパラグラフは過去のものとしてゲームを進める限り二度と読むことができない。所持品、スキル、フラグなどの取りこぼしもよく発生し、リプレイを促す作りとなる。

3.2. 双方向
ドールアーガの塔など、迷路を表現したものに多い。パラグラフ間の行き来が可能。

3.3. ハイブリッド
一方通行と双方向の混在型。ある一定時期(時間の経過や特定のフラグ達成)までは行き来が可能だがそれを過ぎると戻ることはできない。厳密にはドルアーガの塔も序盤は下の階に戻ることはできないのでハイブリッドであると言える。


■4. ランダマイザ
運やランダム性を表現するための手法。

4.1. ダイス(サイコロ)
最もオーソドックスな手法。ダイスを振り出た目を用いる。

4.2. 本誌印刷のアイコン利用
ゲームブック初期から導入されている手法。ページの欄外にダイス目が描かれており、プレイヤーはランダムにページを捲って表れた値をダイス目として利用する。ダイスではないアイコンを使い、5択以下、7択以上を表現する場合にも用いられる。

4.3. コイン
コイントスを行い、結果を用いる。スカイフォールシリーズなどで用いられている。

4.4. トランプ、カード
主にダイスの代用として用いられる。山札から引く、あらかじめ定められた形に並べて置き、特定の箇所を捲らせるなどで、引いたカードの数字や記号(スート)を用いる。4人のキング、カイの冒険などで用いられている。

4.5. プレイヤー指定の値
ゲーム開始前にあらかじめプレイヤーに決定させる。例えば双葉社や勁文社のゲームブックによく見られたバトルポイント表。A、B、C・・・に8、5、1・・・など被らない数字を振らせる。ゲーム中に特定の値を参照させ、ゲームに用いる。リプレイによって最適解が出てしまうことが難点でもあり特徴と言える。

4.6. 時計
ゲーム中に、プレイヤーに時計を確認させ、長針、短針、秒針の値を参照させる。

4.7. プレイヤーへの質問
プレイヤーへ質問し、その結果を判定に用いる。例えば「今日の朝食はなんだったか?」、「今読んでいる時間帯は?」など。


■5. ランダム値の利用
ランダマイザを何に利用するかについて明記する。

5.1. 条件分岐
ランダマイザの値で飛び先を決める。

例:
あなたは野宿して眠りについた。さて何が起こるだろう。
サイコロを二個振ること。

出た目が、
二から六の場合、二へ進む。
七から九の場合、三へ進む。
十以上の場合、四へ進む。

5.2. 能力判定
ある能力を用いた成否チェックに用いる。

例:
この岩石を持ち上げるなら技術チェックを行う。
サイコロを二個振り、出目の合計があなたの技術点以下なら持ち上げられる。二へ進む。
あなたの技術点より多ければ持ち上げられない。三へ戻る。

5.3. 戦闘
能力判定の複合系。攻撃成否、防御成否、ダメージ算出などを複数回行い、戦闘を再現する。

6. 死亡(ゲームオーバー)後処理
死亡時の後処理について明記する。

6.1. 同条件でやり直し
同じ条件でやり直す。引き継げるのはプレイヤーの記憶のみ。

6.2. ステータス優遇
キャラクターの能力をある程度優遇された状態でやり直す。所持品引継ぎなどもこれに含まれる。

6.3. 途中から始める
俗にいうセーブポイントを設け、途中からやり直す、或いはゲームを途中から始めることができる。
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